この図鑑について

きっかけは、CMトラウマ

「おなかのせ図鑑 (onakanose.com)」をご覧いただきありがとうございます。ここでは、この図鑑について説明したいと思います。

思い起こすと、私はあの2011年の311の大震災のあと、爆発的事象を起こした原子力発電所や被災地の現状が心配で、テレビで情報を得ようとずっと見ていました。そんな中、同じAC~のコマーシャルを精神崩壊的に数えきれないほど見続けた結果、テレビを見ようと思うと気分が悪くなるようになり、だんだんテレビの電源を入れることができなくなってしまいました。CMが普通に戻った後でも、何か「ぽぽぽぽーん」とか、「バカって言う」とか流れてきそうで、軽いトラウマになり、ついにテレビをリサイクルショップに売り払って、ネットでの情報収集に時間を費やすようになりました。

男性優位社会
作品タイトル:「男性優位社会」一方で、男が約2倍も自殺してても無問題。だって「優位※」なんだもん

※最近では、男女別での自殺者数は報道しないお約束。警視庁統計2021年9月時点速報値⇒5328(女性)>10567(男)からの~「それでも女性がわかいそう」報道。この男女平等不等式は、最も代表的な「正しい偏向報道」の例。但し、マスコミ破綻後の情報氾濫社会においては、そのようなジェンダーネタも、一瞬で搔き消されるノイズのひとつにすぎない。

絆ブームとジェンダー問題の微妙な揺らぎ

そして、社会では絆ブームで猫も杓子も御手手をつなぐ微妙な空気の蔓延と、一時的にジェンダーフリーの問題を棚上げした論調が氾濫するなかで(誰も、原発復旧作業での女性参画率を議論できる状態ではなかったですが・・・)、初めてネット情報だけで暮らすようになり、社会学的なものに興味を持つようになりました。震災の傷も癒えない頃、いつからか、マスメディアの影響力は著しく衰退し、あまねく社会を潤すように流れていた「自由平等な社会」「ジェンダーフリー」の啓蒙が届かなくなり、差別を認め自由を制限することを賛美するような論調が増え、強い不安のなか社会が古いレトロ的な状態に戻ろうとしていることをヒシヒシと感じました。

男性活躍社会

作品タイトル:「男性活躍社会」

有事(冷温停止状態まで)は男女平等自粛のこと!社員も協力会社も応援部隊も、みーんな男・男・男・・。多数の男性消防隊員を致死的作業に従事させた舌の根元もかわかぬうちに・・、安定後最初のジェンダーネタは「女性消防士の現場活躍が急増中」だったの図
参考資料:災厄 福島原発1000日ドキュメント 2014年4月号(ニュートン プレス)、2011年当時のニュース報道

ブリッジ体操って。
そんなとき、教育シーンでも同調するように、ゆとり教育ブームの反動で見たこともないような教育行為があちこちで行われていることを知りました。ブログにでもまとめようかなと、”バックブリッジができて当然”とか、”巨大組体操”とか、子供たちが”素手素足で便所掃除”とか、”男の子がバックブリッジをして女の子をおなかに乗せる”、”園児が10段の跳び箱を泣きながら挑戦”、”スカート男子教育”などなど・・・、情報を集めてみました。ちょうどこのころ、性役割の再評価による「男の子を鍛える!」というテーマがサブカル的に発展したために、幼稚園や学校などが男の子にとっての「がまんの巣窟」と化したことにモヤっとしたものを感じました。
※ちなみに、元々はブリッジ体操(バックブリッジ体操)は体操教室・空手道場・体育学校などの特殊な種目でした。それが、現代では先生が「ブリッジはじめ!」と子供たちに言うと、「はい!」ってみんなエビぞりになるという時代になっていたのでした。

男女逆転社会完成!?
でも、なんだかんだと忙しく、資料は集めてはいたものの、結局「誰でも簡単!ブログを始めるには」みたいな本を読んだところから、時も過ぎてしまいました。

そして何年も経ったある日、電車の中での出来事ですが、中学生の男女数人が課外授業か何かの移動で乗ってきて、みんなで話し合っている場面に出くわしました。それ自体はよく見かけるシーンですが、この時はそれまでと異なり、女の子の男の子への強い口調での話し方や、男の子達が座席に浅くすわり女の子の方を向き、表情を気遣う様子からは、完全に男女が逆転しているな~とびっくりしました。その後も気にしてみると何回も同じようなシーンを目撃し、何がそこまで男の子と女の子のパワーバランスを変化させたのか?と色々考えていたら、以前動画で見たことのあった「おなかのせ」というキーワードと逆差別を大量にうけた「おなかのせ世代なのでは」という仮説的アイディアがわいてきて、集めた資料を参考に絵をかき、文章を合わせてみました。

「台」にされた男児はモノではない
男児による「おなかのせブリッジ」では、見ている人々は上に立つ女の子のほうばかりに注目し、台になっている男の子の状況には、例えば巨大組体操の中心部で誰からも見えず200キログラムの重さと膝に食い込む砂利に身動き取れず耐えている子と同じく、さほど気を配りません。でも、よく男の子の方を見てみるとそれはモノではなく表情があり感情があり・・・つまり、モノではないということを再認識する機会はあるのだろうか?と・・・。あえてサイト全体で、まるでモノのように、淡々と図鑑のように「おなかのせ」を解説したら、どういうふうになるだろうか?そして、あのように育てられた世代の子たちは、今後どのように社会に影響を与えていくのだろうか?と。

「おなかのせ」はジェンダー要素、サブカル的要素と特定ジェネレーション要素が融合した「社会の縮図」のような絶妙なトピックだと思いました。 ...てなことをまとめてみようと、ホームページにしてみました。今後、「おなかのせ」から発展させて、イラストを交えてわかりやすく色々なトピックを取り上げられたら、って思います。

プロフィール

イズミ、レディーメイド(Izumi, Readymade)

座右の銘:「でたらめをやってごらん。口先では簡単にでたらめなら、と言うけれども、いざでたらめをやろうとすると、それができない(岡本太郎)」
学歴:凸凹大学校工作学部卒業
趣味:イラスト作成とクラシックギター演奏

 

 

 

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